メンタルが弱い人をずるいと思ってしまう心理。嫉妬?誤解?向き合う方法を考えてみた

生活

メンタルヘルスの問題が一般的になってから、精神的な理由から同僚の人にコミュニケーションを配慮されていたり、働き方を調整している人がいます。

「メンタル面が不調な人、精神的に弱い人だけ特別扱いをしている気がしてずるい」」とつい思ってしまうことはありませんか?

この記事は、下記のような人に向けて書いています。

  • 精神的に強くない人と同僚として接していてイライラしてしまう人
  • 自分と比較してメンタルが弱い人との付き合い方や指導の仕方に悩んでいる人

共通認識となってきているメンタルヘルスの問題ですが、問題の当事者や関係者はどのように振る舞っていけば良いのでしょうか。一緒に考えていきましょう。

メンタルが弱い人をずるいと感じてしまう人の心理

精神的に弱いことに苛立ちを感じてしまっている人には、自己中心的な思考や嫉妬、責任転嫁、誤解、無知、同情心の欠如など、様々な心理が働いているのかもしれません。

そもそも、労働環境を取り巻く環境は、常に安定しているとは限りません。厚生労働省の労働安全衛生調査によると、労働者の半分は、「強い不安やストレスを抱えている」ことが明らかになっています。

現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレス(以下「ストレス」という。)となっていると感じる事柄がある労働者の割合は53.3%[令和2年調査54.2%]となっている。
ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者について、その内容(主なもの3つ以内)をみると、「仕事の量」が43.2%[同42.5%]と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が33.7%[同35.0%]、「仕事の質」が33.6%[同30.9%]となっている。

令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)

自己中心的思考:自分が苦労しているのに、他人が苦労しないのは不公平だと思う

自己中心的な思考に陥っている人は、自分だけが苦労していると感じ、他人が楽をしていると感じてしまいます。

Aさん「なんで俺だけこんなに働いているんだ?Bは毎日早退して楽そうだな。一日が終わると、とても疲れしまって何もできない。それなのにBは早く帰って何をしてるんだろう。」

というAさんのように、自分が苦労しているからと言って、他人も同じように苦労しなければならないという考え方は、自己中心的な思考の一例です。

嫉妬:他人が自分よりも楽そうに見える

他人が自分よりも楽そうに見えると、嫉妬心が芽生えることがあります。

自分と比べて他人の仕事量が少なく、それでいて楽そうに見えると、なぜ自分だけがこんなにも働かなければならないのかと感じてしまいます。

Aさん「田中はいつも楽そうに見える。なんであんなに楽そうに仕事ができるんだ?自分と比べて、彼の仕事量はどう考えても少ない。それなのになぜ僕だけこんなに働かないといけないんだ?」

上記のように、嫉妬心から他人を不公平に判断してしまうことがあります。

責任転嫁:自分の問題を他人に投影する

自分の問題や困難を他人に投影することで、自分自身の問題から目を背けることがあります。

Bさんがメンタルが弱いために早退することを甘えと判断し

「Bはメンタルが弱いから甘えて早退しているんだ。そんなに早く帰って、何をしているんだ?他の人はこんなに頑張っているのに。」

と、自分の負担を他人の甘えとして見るAさんのような考え方は、責任転嫁の一例です。

誤解:メンタルが弱い人が甘えていると誤解する

人は自分が経験したことや理解したことだけを基に他人を判断します。

そのため、メンタルが弱いということを経験したことがない人は、それを甘えだと誤解することがあります。

Aさん「Bはメンタルが弱いから甘えて早退しているんだ。そんなに早く帰って、何をしているんだ?他の人はこんなに頑張っているのに。」

上記のように、メンタルが弱い人を甘えていると誤解する心理は、一般的な誤解の一例です。

無知:メンタルヘルスの理解不足

そもそも精神的な弱さを抱える人について理解が浅いと、メンタルが弱い人をずるいと感じてしまうことがあります。

メンタルヘルスの問題は、見た目では分かりにくく、またその症状や影響も人それぞれ異なります。そのため、メンタルヘルスについての知識や理解が不足していると、その人が真剣に苦しんでいることを理解することが難しくなります。

同情心の欠如:他人の苦しみを理解できない

他人の苦しみを感じることができないと、その人を理解することが難しくなります。

自分が苦しんでいるとき、他人の苦しみを感じる余裕はないかもしれません。しかし、他人の苦しみを理解することができると、その人に対する理解や共感が深まり、より良い関係性を築くことができます。

メンタルが弱い人にどう向き合うべきか

メンタルが弱い人をずるいと感じてしまう心理に陥ってしまうと、その人に対する理解や共感が難しくなります。そこで、メンタルが弱い人にどう向き合うべきか、以下にいくつかの方法を提案します。

精神的な弱さを抱えている人の特性について知識を深める

例えば、メンタルヘルスに関する知識を深めることは、メンタルが弱い人と適切に接するための第一歩です。

そもそも、見た目では分かりにくく、またその症状や影響も人それぞれ異なります。そのため、メンタルヘルスについての知識を深めることで、その人が何を感じているのか、何に苦しんでいるのかを理解することができます。

メンタルヘルスの問題は多様で複雑であるため、それらについての理解を深めることが重要です。

そうすることで、他人を非難するのではなく、理解し、支援するための土台を作ります。

自分だけでなく他人の立場や苦しみも理解する

メンタルが弱い人がどのように感じ、何に苦しんでいるのかを理解することで、適切な支援やケアを提供することが可能になります。

自分だけでなく他人の立場や苦しみを理解することで、その人に対する理解や共感が深まります。

自分が経験したことや理解したことだけを基に他人を判断するのではなく、その人が何を感じているのか、何に苦しんでいるのかを理解することが大切です。

メンタルが弱い人に対して同情心を持つ

メンタルが弱い人に対して同情心を持つことは、その人が必要としているケアや支援を提供するために必要です。

他人の苦しみを感じることができると、その人に対する理解や共感が深まります。メンタルが弱い人に対して同情心を持つことで、その人が何を感じているのか、何に苦しんでいるのかを理解することができ、他人を理解し、尊重することを可能にします。

結果として、より良い関係性を築くことに繋がるのです。

「なんであの人だけ楽をしているのだろう」とついつい思ってしまう心理には、自己中心的な思考や嫉妬、責任転嫁、誤解、無知、同情心の欠如など、様々な心理が働いているのかもしれません。

自分の思考を理解して、適切な配慮を行うことで、人間関係を円滑に運ぶができるのです。